私達、訪問看護師は、毎日、あるデイサービスに訪問に行くのですが、ここの職員さんの接しかたには、いつも感心させられます。このデイサービスの利用者様は、小人数で認知症をお持ちの方がほとんどです。今あった出来事も忘れてしまうほど、重症な方もいますが、比較的穏やかな方が多く、いつも認知症を患っているとは感じられないほど、しっかりされています。(これも、職員さんの関わりがいいからだと思っています)
先日もちょうど、ごはん時に訪問したのですが、お昼前になると誰に指示されることもなく、ある利用者様が席を立ち、お茶の準備を始めました。急須に入れたお茶を湯飲みに注ぎ、お盆に入れて一人一人に配って回ります。びっくりした私は、「○さんすごいね」とデイサービスの職員さんに声かけしました。「いつも時間になったら、自分からお茶の用意をしてくださるんですよ」とのこと。また、ある日のこと、○さんが配ったお茶を、他のご利用者様がひっくり返し、テーブルの上が水びたしになりました。「あーこぼれた」と思った瞬間、○さんが台所に行き、布巾を持ってきてテーブルをきれいに拭いてくれました。その瞬時の行動は、認知症を患っているとは思えないほどの動きでした。誰に言われたのではなく、自分で判断し行動に移していました。この方は、認知症状が強く、デイサービスの利用を開始された当時は、何もせず、ただじっとされている方だったようです。しかし、職員さんが何か出来ることはないかと模索し、本人様のやりたいことを見つけ、役割を持たせることで、いつの間にか自分の仕事として、責任を持って行えるようになったとのことでした。
認知症を患うと、できないことが増え、周りの人もめんどくさいことから、出来ることも、させないということが多々あります。しかし、ここの職員さんのように、一人一人の残存機能を見極め、その方にあった役割を担うことは、とても重要なことです。自分で出来ることが増えると、その方の自信にも繋がります。人に必要とされていると感じられることは、人を笑顔にし、活気ある姿に変えることが出来るのだと、あらためて認識しました。私も、デイサービスの職員さんのように、生活に密着した関わりが出来るよう、今後も心掛けて行きたいと思います。
訪問看護サービス 管理者 岡田千恵子
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