平成20年に脳梗塞を発症し左上下肢に麻痺があるIさんは、要介護4の状態であったが娘様と二人で自宅での生活を希望され生活をされていました。
年月とともに徐々に身体機能が低下していく中でもIさんは、
「自宅で最後まで過ごしたい」
と希望され、娘様も、
「具合が悪くなっても、救急車は呼ばないし入院もしない。自宅で最後まで母と一緒に過ごしたい」
と希望されていました。
1回/週の一般状態の観察と嚥下訓練等のリハビリで訪問していましたが、ムセこみがあるため、水分摂取が困難で脱水を繰り返し、訪問診療の主治医と連携し必要時に点滴を施行することで状態が改善することができていました。
しかし、91歳をむかえてから食事や水分を摂取することが困難となり、24時間の持続点滴が開始され2ヶ月後に永眠されました。
Iさんの身体は徐々に弱っていきましたが、その都度、ご家族様に説明することで死が近いことを理解し受け入れることができ、遺影の写真もお早めに準備することができました。
夜間に「点滴が落ちなくなった。」とご家族様からの連絡にも、訪問看護師がすぐに対応することで自宅で二人だけでいることに対する不安を少しは軽減できたのではないかと思います。
死亡が確認された後、訪問看護師がお化粧をしてお別れをした際には、「きれいに化粧していただいてありがとうございます。」と親戚の方々も喜ばれていました。
退院後してから、自宅で最期迎えるその日まで、訪問看護師として関わることでご家族様との信頼関係を深め、ご本人様と娘様の希望をかなえることが出来たのではないかと思います。
Iさん。ご家族様。大変お世話になりました。
訪問看護サービス 前田圭子
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